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AIの自動投稿で間違った税知識をXに投稿した税理士の炎上騒動について
こんにちは 公認会計士・税理士の富村亮超です。
最近、税理士Twitter界隈で激烈にホットな話題があります。
AI活用を豪語するとある若手税理士が
「インボイスの経過措置、10月から控除率が80%→50%に下がる。」と投稿し
各方面から叩かれまくり、AIの自動投稿で、AIがミスりましたと訂正。
しばらくして、また2026年8月中旬に同様に「80%→50%での控除減少額を計算し」とAIによって投稿して
いい加減にしろよと再度炎上した話です。
実際にはこれが80%→70%なのですが、色々上限が変わってたり複雑ではあるので
せっかくなので、国税庁の税制改正特集を貼っておきます。
AIのこのハルシネーションがなぜ起きやすいかは、一言で言えば「50%とする過去の文献が多いから(厳密にはハルシネーションというより情報の鮮度切れ)」なのですが、それはもう散々言われているのでよいとして
なぜここまで炎上するのかという社会学の目線の話をしてみましょう。
僕の中で、本件が炎上する火種は以下のように整理しています。
①(同業から見ると明らかに)勉強不足の範囲内
②公認会計士税理士
③AIを活用していると豪語
④AIによる自動投稿
⑤AIがミスりましたと訂正したこと
⑥2回目
①(同業から見ると明らかに)勉強不足の範囲内だったこと
これが、めっちゃくちゃ複雑な海外のうんたらかんたらの移転価格税制とかを含んでいれば、単に「ミスの指摘」で済んだかもしれませんが
少なくとも、専門家としてTwitter上で発信していいレベルの知識水準を下回っている、と判断されたのだと思います。
専門家が明らかに間違った知識(しかもそこまで複雑でない)を堂々と発信した。これが1点目です。
しかも若手であることもあって
「これだから勉強不足の若手は・・・」の絶好の的になります。
②公認会計士税理士だったこと
公認会計士税理士が税務でミスると
「これだから会計士税理士は・・・」という絶好の的になります。
ちなみに、ただでさえヘイトを買いやすい存在かつミスったら影響が大きいので、僕は普段から税務に関する発信をほとんどしていません。(逃げ腰)
AI実務などを中心に発信するようにしています。
③AIを活用していると豪語していたこと
そもそもまず、若手がAIで色々自動化してこれまでの税務に携わってきた人々の経験を
「それって非効率ですよ」
みたいな顔をしていること自体が、相当にヘイトを買いやすいわけですよ。
(これは、僕も普段からとても意識しています。)
そんな中、ハルシネーションという最も業界がセンシティブになっている話題の一つの
最も分かりやすい実例としてど真ん中を堂々と突っ切っています。
AI活用できてない事例になってしまうという皮肉が起こってしまい、
「これだからAIは品質が・・・」の絶好の的になります。
④自動投稿であること
人の目に触れる前に人間が確認するというAI自動化において非常に初歩的かつ重要なプロセスを
フローに組み込んでいないというのが結構致命的で
「これだからAI自動化に素養の無い人間の自動化は・・・」の絶好の的になります。
⑤AIがミスりましたと訂正したこと
責任の所在を自分ではなく、AIに置いたことが専門家としてどうなの?ということです。
士業は自分の名前で署名して結果を引き受けることに値段がついている職業なので、ここが一番深い地雷だったのではないかと思います。
「これだから士業の責任感の自覚のない若手は・・・」の絶好の的になります。
⑥2回目であること
2回目で全く同じ現象のミスが起こってしまい、
「1回目のときにあれだけ叩かれたのに反省をしていない(あるいはフィードバックを実装できるスキルがない)」と判定されてしまいました。
「これだから反省の無い態度の若手は・・・」の絶好の的になります。
つまり、まとめると
あらゆる点においてヘイトを買いやすい状態をコンプリートした状態で
絶好の火種を作ってしまったわけです。
本件から学べることは
若手のAI活用を豪語する公認会計士税理士が、税務の分野で、AIを使った結果盛大にミスったうえに、それを広く発信し、ミスをAIのせいにした挙句に、同じミスを2回すると、とんでもなく叩かれるということです。
若手のAI活用を豪語する公認会計士税理士のはしくれとして
非常に参考になる事案でした。
