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富村将之ブログ

バラマキ衆議院選挙が始まりましたね

税理士の富村です。

衆議院選挙が始まりましたね。各党バラマキ合戦の様相を呈していますがこの国は無尽蔵にお金があるといよいよ勘違いしてきているようです。私は以前からいろんなセミナーや租税教育の現場において日本の財政問題を取り上げてきました。現在国債残高は1000兆円を超えて地方債との合計は1400兆円に迫る勢いです。

バブル初期に170兆円ほどしかなかった国債残高はわずか30年ほどで実に6倍に膨れ上がりました。現在この国債を購入しているのは大半が日本銀行でありその購入原資は一般銀行が日本銀行に預けている当座預金であり、またその原資は国民や一般企業が一般銀行に預けている預金です。

言い換えれば国民が国債を間接的に購入しているようなもので国民の金融資産が2000兆円で、一般企業の内部留保が500兆円あるが故、まだまだ日銀の購入資金には余裕があるため、特段金利も上昇することが無く推移しています。

しかしながら当然こういった資産には限界があり日銀への当座資産の預け入れがこれ以上見込まれなくなったとき、日銀は自ら刷ったお金で国債を購入しないといけなくなり、これはまさに打ち出の小槌状態ということで、円に対する担保的資産が無い状態での資金供給は円の信頼を失い極度の円安とインフレを招くことが容易に想像できます。

MMT論者の何人かはいくらでもお金を刷っても大丈夫的な意見を述べていますがそれは現段階のことでいつまでも無制限に刷れるわけではないし、その限界を熟知しておくことが必要なのです。

先進国の多くはこの財政規律を守りながらGDPを増やしてきているのに日本は財政規律を無視して市場にお金を投入すれば景気が回復すると信じてこの30年間を無駄にしてきました。そろそろこんな政策は無意味であり根本的には人口増加と教育、イノベーションが大切なのだということになぜ気が付かないのでしょうかね。