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富村将之ブログ

ふるさとの星座のおはなし

税理士の富村です。

私は昭和40年に伏見稲荷の門前町で生まれました。親父がアルピニスト(山岳家)だったこともあり、私が3歳の時、長野県の白馬村にヒュッテ(山小屋)を建設して山岳基地兼スキー宿の経営を始めました。

 資金がなかったこともあり、集落からはかなり離れた森の中の一軒家だったため、豪雪が降った次の日の朝は、学校に行くのに片道5㎞以上の道のりを、2時間以上かけて雪の中を歩いて通ったことが懐かしく思い出されます。

 学習塾などなく、そろばん塾と習字の塾だけで、また同じ日に開催されていたので、どちらかにしか行くことができず、私はそろばん塾に通っていました。今になってみればそれが税理士までの道筋をつけてくれたのかもしれません。

 そんなそろばん塾の日も、冬場は16時を過ぎれば目の前の3,000m級の北アルプスに日が沈むため塾の日の帰り道は真っ暗といった状況でした。しかも最後の電灯がある道を過ぎるとそこからは1㎞ほどは、真っ暗な森の中を歩いて帰らなければなりませんでした。

 月の出ている夜はその月光の明るさにどれだけ救われたことでしょう。楽しみといえば天の川がきれいに見える満点の星空を眺めながら、小学生の雑誌についていた星座盤で学んだいろんな星座や一等星、二等星を探すことでした。特に冬の星座は一等星が多く、21個ある一等星のうち実に3分の1の7個が冬に輝きます。北半球で見える一等星が15個ですからそのうちの半分が冬の星座の中にあります。皆さんがよく知っている冬の星座の代表であるオリオン座には、ぜいたくにもリゲルとベテルギウスという二個の一等星が含まれているんですね。

 税理士試験の受験勉強により2.0あった視力があっという間に0.2になり、今では0.1になりましたが、一番残念なことはあの満天の星空を裸眼で見ることができなくなったことなのかもしれません。

 今では1年に一回帰るかどうかのだれも住んでいない田舎の家ですが、車で10分ほどの学校から家までの道を運転すると幼かった私がその辺を道草しながら歩いているような錯覚を覚えます。

 先日、雪で傷んだ屋根の修理を業者がしていると、庭を2頭のツキノワグマがウロウロしていたそうです。ひと気が無くなったから安心して最近は家の周りをテリトリーにしだしたのかもしれません。

 少しスリリングな田舎のおうちになってしまったようです。「ある~日♪森の中。くまさんに。出会あった♪」なんてね!