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世は大AI検索時代~AIO対策の本流を考える

「世は大AI検索時代~AIO対策の本流を考える」


こんにちは。マネックス合同会計の公認会計士、富村亮超です。

今日は「SEO」ならぬ「AIO(AI Optimization)」の話をしたいと思います。

きっかけは、弊社の税理士さんから聞いたこんなエピソードでした。


アクセスほぼゼロのHPに、いきなり税務相談が来た

その先生の奥様は最近、自分の事務所のホームページを新しく作りました。

  • 作ったばかりなので、検索順位は当然ついていない

  • アクセス解析を見ても、ほとんど誰も来ていない

  • 広告も出していない

そんな状態だったのに、ある日ふっと「ホームページを見ました」という税務相談の問い合わせが来たのだそうです。

不思議に思ってお客様に聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「GPTに相談したら、こちらの事務所が良さそうだと教えてくれました」

さらに話を聞くと、そのホームページ自体も「チャットGPTに言われるがまま」作ったとのこと。

  • トップページの構成

  • 見出しの付け方

  • 自己紹介の書き方

  • どんなサービスをどう書くか

まで、AIに相談しながら作っていったそうです。

私が感じた示唆は大きく2つです。

  1. PV(アクセス数)がほぼなくても、「AIの推薦」で仕事が来る時代になりつつあること

  2. AIに言われるがまま作ったHPは、「AIにとって」非常に理解しやすい構造になっている可能性が高いこと

ここから、「AIO対策の本流」について考えてみます。


なぜ「AIに言われるがまま作ったHP」はAIに理解されやすいのか

一見すると、「AIに丸投げして作ったHPなんて大丈夫か?」と思いたくなります。

が、AI側の視点で見ると、話は逆です。

AIは、ざっくり言うと「テキストの意味」と「構造」を手掛かりに、
「このサイトは何をしている、誰向けのサイトか」を理解しようとします。

AIに指示されるまま作ったHPがAIフレンドリーになる理由を、少し丁寧に分解してみます。

① 余計な“ポエム”より、「何の事務所か」が冒頭でハッキリ書かれる

AIにHP構成を相談すると、だいたいこんなことを言われます。

  • 最初に「誰が」「どこで」「何をしているか」を書きましょう

  • 強みや専門領域を簡潔に書きましょう

つまりトップページの冒頭に、

「○○市で相続・事業承継に強い税理士事務所です」

というような一文が素直に置かれやすい。

人間の感覚だと、
「なんかオシャレなキャッチコピーを…」とポエムから入りがちですが、
AIにとっては、ポエムよりも「意味が直球の1文」の方がはるかに理解しやすいのです。

② 情報が「構造化」されていく

AIはよく、こんなアドバイスをします。

  • 見出し(H2・H3)を使って整理しましょう

  • 箇条書きでサービス内容を整理しましょう

  • Q&A形式でよくある質問を書きましょう

これらはそのまま、AIにとっての「読みやすさアップ」につながります。

人間でいうと、

  • ぎっしり詰まった長文レポートより

  • 見出し付き+箇条書きの資料の方が読みやすい

のと同じです。

AIが自分で愛用している「構造」を、人間側のHPにも輸出しているので、
結果として「AIにとっても読解コストの低いHP」が出来上がるわけです。

③ AIが「自分の仲間」に紹介しやすい文章になる

今回のエピソードでは、

  1. HPを作るとき

  2. そのHPを探してもらうとき

の両方にAIが関わっていました。

1では、「AIが人間に教えた構造」でHPが作られています。
2では、「AI(あるいはAI検索サービス)がWebの情報を統合して、ユーザーに提案」しています。

両者は、兄弟みたいなものです。

  • 「AIに相談して作った文章」
    は、

  • 「AIが他人に紹介するとき、要約しやすい文章」

になりやすい。

AIの“文法”で書かれているので、
AIから見て「説明しやすい」「ラベル付けしやすい」情報になっている、ということです。


「相続の相談者は高齢だから、AI検索はまだ先」なのか?

税理士という仕事柄、「相続の相談」をイメージするとき、ついこう考えがちです。

「相談者の平均年齢は高いから、まだまだHP検索がメインでしょ」

確かに、
相続相談の中心世代は50〜70代くらいが多く、
「スマホでガンガンAIに聞きまくる世代」とは言い難いかもしれません。

ただ、今回の事例を聞いて、私はこの前提に少し疑問を持ちました。

① 本人がAIを使っていなくても、「家族」が使っている

  • ご本人:
    「どこに相談したらいいかわからんから、ちょっと調べてくれへん?」

  • 子ども・孫世代:
    「とりあえずGPTに聞いてみるか」

というパターンは、正直かなり現実的です。

高齢の方自身がAIを触っていなくても、
「情報収集の一発目がAI」になっている可能性は、思った以上に高い。

② 「検索窓にキーワードを打ち込む」より、「会話で聞く」方がハードルが低い

Googleで調べる場合:

  • 「地域名+相続+税理士」などのキーワードを考え

  • 検索結果をザッと眺め

  • いくつかのHPを開いて比較する

というステップが必要です。

一方AIでは:

「○○市で、相続に強くて話しやすそうな税理士事務所を教えて」

と一文打てば、とりあえず候補が返ってきます。

  • 「どんなキーワードで検索すればいいか」考えなくていい

  • 「比較材料」をAIが簡単にまとめてくれる

この「ラクさ」は、
ITリテラシーに自信がない人ほど、魅力的に感じるはずです。

③ 「まだAIは使われていない」と思っている側が、一番取りこぼす

「うちの顧客層は高齢だから、AI検索はまだ先」

という前提で動くと、起こることはシンプルです。

  • SEO対策はする

  • でもAIからの“推薦”はまったく意識していない

その間に、

  • 「家族や若い担当者経由でAIに相談」する動きが増え

  • AIOを意識している(たまたまでも)事務所に、先に相談が流れていく

という現象が起こりかねません。


AIO(AI Optimization)とは何か

ここで、今日のテーマである「AIO」を、私なりに整理しておきます。

AIOとは、AIがユーザーに説明しやすい存在になること。

もっと分解すると、こんな要素です。

  1. 何をしている誰なのかが、一文で言える

  2. 誰の役に立とうとしているのかがハッキリしている

  3. どんな実績・専門性があるのかがテキストとして残っている

  4. それらがホームページやブログ、プロフィールで一貫した言葉で語られている

AIは「ページ単位」でなく、「意味のかたまり」を見ます。

  • トップページ

  • 代表プロフィール

  • ブログ記事

  • SNSの自己紹介

などをまとめて読んだうえで、

「この人(会社)は、◯◯のことで相談するのが良さそうだ」

と判断しようとします。

ここまで来ると、もはや

「キーワードを何回入れるか」

という話ではなく、

「AIが、あなたをどう“紹介文”にまとめるか」

の勝負になってきます。


中小企業・士業が、今からできるAIO対策の本流

最後に、「じゃあ何をすればいいの?」に対する、現実的な4つのアクションを書いておきます。

① 自分の“定型自己紹介文”を決めて、ブレずに使う

例として、

「京都市で相続税・事業承継に強い公認会計士・税理士の富村亮超です。」

といった一文を決めたら、

  • ホームページのトップ

  • プロフィールページ

  • ブログの冒頭

  • SNSのプロフィール

など、あらゆる場所で文言をほぼ統一して使う。

AIは、この繰り返しから

「この人=京都×相続×公認会計士」

というラベルを貼りやすくなります。

② 専門性を「記事」と「事例」でテキストとして残す

  • 「よくある相続相談」を、ケース別にブログに書いていく

  • 「こういう背景の方に、こういう提案をした」というストーリーを残す

AIは「キーワードの羅列」よりも、「ストーリー」を要約するのが得意です。

事例ベースのコンテンツは、そのまま

「こんな人には、こういう対応をしてくれる事務所」

というAIの説明文に変換されやすくなります。

③ AIが読みやすい“構造”を意識する

  • 見出し(H2/H3)で論点ごとに区切る

  • 箇条書きを使う

  • Q&A形式の「よくある質問」を用意する

これはそのまま、AIが要約する時のアウトラインになります。

極端な話、

Q:父が亡くなり、実家と預金があるのですが、相続税はかかりますか?
A:○○円程度の財産であれば、一般的には基礎控除の範囲内に収まることが多いです。詳しくは…

という文章は、そのままAIの回答パーツとして使われてもおかしくありません。

④ 自分の文章をAIに要約させて、「どう見られているか」をチェックする

手軽にできるセルフ診断として、

「この文章を読んで、私はどんな専門家だと要約できますか?」

と、HPのプロフィールやブログ記事をAIに食べさせてみる。

返ってきた要約が、

  • 自分の狙いどおりならOK

  • 全然違うイメージになっていれば、AIO的には“伝わっていない”

ということです。


まとめ:検索エンジンの前に、「AIに紹介されるに値するか」

AI検索の時代になっても、
Google検索自体がすぐに消えるわけではありません。

ただ今回のように、

  • PVはほぼゼロ

  • SEOの効果もまだ見えない

段階からでも、

  • 「AIのひとこと推薦」だけで仕事が動く

という現象が、すでに起き始めています。

AIO対策の本流は、テクニックの話ではなく、

「AIに紹介してもらえるに値する活動と発信をしているか」
「AIが他人に説明しやすい形で、自分の専門性と言葉を残しているか」

を見直すことだと、私は感じています。

「うちの顧客は高齢だから、AIはまだ先でいい」

と考えてしまうと、
気づかないうちに「家族経由のAI検索」からの相談を、
まるごと他所に持っていかれるかもしれません。

世は大AI検索時代。

  • SEO(検索エンジン最適化)に加えて

  • AIO(AI最適化)という視点を一つ足すことが、

これからの中小企業・士業にとって、
じわじわ効いてくる差別化ポイントになっていくはずです。