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公認会計士・短答式は今こう戦え|難化時代のモチベーション維持論

こんにちは。富村亮超(りょうたつ)です。

先日、修了考査の記事を書いたところ、「短答式や論文式のときの話も聞きたい」という声をいくつかいただきました。
ただ、正直申し上げて、今の試験は私の頃よりずっと難しいと思います。

受験者数も大幅に増え、試験の範囲も増える一方(これは、実務においても同様で、監査現場の疲弊は著しいものとなっています)。

その中で、短答式試験や論文式試験を語るのはいささか老害が過ぎるのではないかという読者の方もおられるかと思います。

ただ、まだギリギリ何か役立つことが書ける気もするので、賢明な読者の皆様は取捨選択をしつつ、読んでいただけますと幸いです。

今回は、ちょうど試験が迫ってきた短答式をテーマにしたいと思います。

勉強方法はその人に合ったものがあると思いますので、とにかく私は「モチベーションの保ち方」についてフォーカスします。

 

難易度の高さとその仕組み

まず、短答式については某東大王の方が会計士を受験したころから有意に受験者数が増加しており、難易度がとんでもないことになっていると聞きます。

そもそも公認会計士試験は、何より「ペーパーテストで一発逆転」という

「大学で体育会系の部活に入ったり、飲み会で無双することは出来ないがペーパーテストは結構得意な私」

が就活で筋肉ムキムキの陽キャの優しいイケメンと就活で正面から勝負する必要がなくなる

というその一点において、構造的にペーパーテスト特化の人間を呼び寄せる試験なのです。

したがって、短答式試験の受験を念頭に置く以上、「アイデンティティは学歴」というペーパーテストの鬼が徒党を組んで、そんな連中が楽しい大学生活すら棒に振って挑んでくるという厳然たる事実は認識しておいてほしいです。

短答式試験(約10%が合格)はマークシートなのですが、私の時(令和元年~2年)でも上位の5%くらいは人外のような人で席が埋まっており、結局は残りの5%の席をだれが獲るかという感覚でした。

それが今や、受験者数や母集団の低年齢化もあって、もしかしたら合格者は全員あのころに見た人外レベルで埋まっている…?のかもしれません。

モチベーションキープのための戦略

短答式試験において重要なマインドセットは、敵は「トップ層」だけだということです。

実際、予備校に初めて行くと結構な人数が受講しており、本科コース生が100人もいれば最初は上位2~3割くらいに入れればまずまずといった感覚は実際あります。

ですが、講義が進むにつれて、それはもう多くの人たちが「撤退」していきます。そしてそれは「序盤で上位40%くらいだった人以下のほとんど全て」が、中盤で消えます。

最初は上位2割ぐらいにいたはずなのに、残った中で自分の位置を振り返ると、あれっ、下から数えた方が全然早くない…?

という恐ろしい状況です。こうなるともうモチベーション的にはかなりきついです。

そして恐ろしいことに、本科コースに遅れて入学してくる中に、絶対数としては少ないものの「今から勉強初めても間に合っちゃう人」が紛れています。

てへぺろのイラスト(男性会社員)←実際にいた1.5年コースで入ってきて最終的に論文最終模試で全員を抜き去って全国1位になっていたチャラい京大生(テニスサークルとバイトも両立)

 

これらの人が本気を出したら最後、上位から張り付いて離れないのですが、最初の数か月はそれらの人を目視することは出来ないのです。

 

何度も言いますが、これは本当に重要なこと。

初学者の間は何が何でも上位5%を死守。

この時期はまだ、ペーパーテストの神が勉強を真剣に開始しておらず、ギリなんとか5回以上回せる程度の分量しか予備校も供給してこないので頑張ったら絶対にいけます。

その時期に少しでも多く「見ただけで解ける」程度に財務会計と管理会計を固めておくくらいじゃないと、後半失速してモチベーションがえらいことになります。

 

短答式試験は、合格するまでの間「本当になんでもないただの人」というステータスが精神を蝕みます。(簿記一級などに合格できればまだいいですが)

したがってモチベーションキープをするには「トップ層になれる実力」か

「トップ層と正面で戦う覚悟」のどちらかを常に持ち続ける必要があります。

 

そして、“トップ層が本気を出す前に基礎を固める”ことで勝てる。これは誰にでも再現性がある戦略です。

 

そして真のトップ層でない限り、マークシートである以上最後の1問2問は運ゲーです。

本当に厳しいようですが、現状の短答式試験の難化からみて、私が出来る応援は正直これだけです。

細かいペース配分などは私よりも詳しい人がきっと近くにいると思いますので、予備校の先生などを頼ってください。

次の論文式試験は、そのトップ層をして4割しか受からないまさに地獄ではあるのですが、そのころにはあなたも「トップ層」の仲間入りをしているので、案外モチベーションキープの難易度は下がります。

 

皆様の合格を祈っています。

 

富村亮超